漢字と熟字訓の由来を巡る旅

漢検準1級と1級に役立つよ

60 単位の話  (漢検準1級と1級に役立つよ)

 

単位

長さの単位メートルには、「米」という字が使われる。これに、十、百、千を付け足して、「籵」(デカメートル)、「粨」(ヘクトメートル)、「粁」(キロメートル)という国字がある。デカとは十、ヘクトは百を意味するが、デカメートル、ヘクトメートルという単位が使われることはまずないので、雑学として使われるくらいか。

同じように重さの単位、グラムは「瓦」、容量の単位リットルは「立」と書くので

「瓧」(デカグラム)、「瓸」(ヘクトグラム)、「瓩」(キログラム)、

「竍」(デカリットル)、「竡」(ヘクトリットル)、「竏」(キロリットル)

小さい方は、十分の一を「分」、百分の一を「厘」、千分の一を「毛」で表され、

「粉」(デシメートル)、「糎」(センチメートル)、「粍」(ミリメートル)

「瓰」(デシグラム)、「甅」(センチグラム)、「瓱」(ミリグラム)

「竕」(デシリットル)、「竰」(センチリットル)、「竓」(ミリリットル)となる。

重さの単位には1000kgを表す「屯」「噸」あるいは「瓲」(トン)がある。

国際単位のメートル法が使われ出してから、中国や日本で使用されていた尺貫法という単位系は使われなくなったが、ヤード・ポンド法アメリカなどでは今も健在である。

 長さの基本となるのがヤード「碼」で1ヤードは91.44cmである(この値に定められた)。

1ヤード=3フィート「呎」で、1フィート=12インチ「吋」。

長い距離にはマイル「哩」を使うが、1マイル=1760ヤードとヤード法はややこしい。

同じ長さでも海上での距離にはカイリ「海里」「浬」という単位が使われ、1浬=1852mである。この半端な数値は緯度1分(1度の60分の1)の長さに相当し、この距離を1時間で進む速さが1ノット「節」である。

重さの単位はポンドが「听」または「封」と書いて、1ポンドは約453.6g。

1ポンドの16分の1が1オンスで、「穏斯」と書く。

容量の単位は、1ガロン「呏」が約3.785リットル(イギリスでは4.546リットル)だ。

また海外の主な通貨の単位にも漢字がある。ドルは「弗」と書き、これは形が「$」に似ているための借用である。ドルの補助単位のセントには「仙」が当てられる。イギリスの通貨はポンド「磅」で、その補助単位はペンス「片」という。かつては、フランスでフラン「法」、ドイツでマルク「馬克」、オーストリアなどではシリング「志」が使われていたが、今はユーロに統一された。ただしシリングは今でも東アフリカ諸国で通貨単位として使われている。ロシアではルーブル「留」が使われる。