知識
12月の誕生石とバラ 12月の誕生石はラピス・ラズリと呼ばれる藍色の宝石で、現在は「青金石」と書く。古くから「瑠璃」(るり)の名で珍重され、これを原料とした顔料の青い色は瑠璃色あるいはウルトラマリンブルーと呼ばれる。主成分である群青の青金石に、…
元素 中国ではすべての元素を漢字一文字で表すことができ、周期律表も漢字で表される。現中国の漢字は略字体が多く、日本で使われる漢字とはかなり異なっているが、中国の字体を使わなくてもほぼすべての元素が揃う。 気体として存在する元素には、「气」(…
11月の誕生石と黄色 緑玉(エメラルド)、赤玉(ルビー)、青玉(サファイア)とくれば、「黄玉」もあって(トパーズ)と読み、11月の誕生石である。トパーズは「黄玉」と書くものの青やピンク、橙から褐色のものまであり、淡褐色(琥珀色)のものが最も高級…
海草と海藻 カイソウといっても「海草」と書けば、海に生育する種子植物のことで、いわば海産の水草である。「甘藻」(あまも)などがその代表である。アマモはその姿から「大葉藻」とも書く。一方「海藻」と書けば、胞子によって繁殖する緑藻類、褐藻類、紅…
麒麟 本来、「麒麟」(キリン)というのは、龍や鳳凰と並ぶ想像上の動物である。形は鹿に似て、顔は狼に似て、牛の尾と馬の蹄をもち、雄は頭に角をもつ。普段は非常にやさしい動物で、足元の虫や草を踏むことのないように宙に浮いて歩く。毛蟲360種(獣類)…
鳳凰 鳳凰は想像上の神聖なる瑞鳥で、麒麟、霊亀、応龍とともに「四霊」と呼ばれる。鳳凰は羽蟲(鳥のように羽のある生物)360種の長、麒麟は毛蟲(獣のように毛のある生物)360種の長、霊亀は甲蟲(甲殻類のように殻や甲羅のある生物)360種の長、応龍は鱗…
10月の誕生石と虹 10月の誕生石オパールは「蛋白石」と書く。蛋白とはもともと卵の白身のことで、オパールの色が卵の白身が熱で少し固まったときの薄い膜のような半透明の乳白色をしていることによる。オパールには虹色に輝くものがあり(遊色効果)、特に人…
単位 長さの単位メートルには、「米」という字が使われる。これに、十、百、千を付け足して、「籵」(デカメートル)、「粨」(ヘクトメートル)、「粁」(キロメートル)という国字がある。デカとは十、ヘクトは百を意味するが、デカメートル、ヘクトメート…
9月の誕生石と青 コランダム(酸化アルミニウムの結晶)のうち、赤以外の色を放つ宝石はすべてサファイアと呼ばれるので、サファイアには青のほか、黄色やオレンジ、ピンク、紫の石がある。このうち青いものが最も高級とされ、9月の誕生石もブルー・サファイ…
部首の話 その2 「いや、形がちょっとちがうやん」っていう部首。 問題1.「才」の部首は? 「一」かな「ノ」かな。それとも「亅」(はねぼう・けつ)か。 正解は「手・扌」(て・てへん)。えっ? いや「扌」(てへん)に似てるけど、ちょっと違うやん。「…
8月の誕生石とオリーブ ペリドットは鮮やかな黄緑色をした透明な宝石で、8月の誕生石である。和名は「橄欖石」(カンランセキ)という。「橄欖石」の「橄欖」は緑色の実をつけるオリーブのことを指す。この実をペリドットに見立てたのである。本来「橄欖」(…
7月の誕生石と紅 7月の誕生石、ルビーは酸化アルミニウムからなるコランダム(鋼玉)という鉱石で、ダイヤモンドに次いで硬い。コランダムに不純物として1%のクロムが入ると赤い色を発し、その赤いものがルビーと呼ばれる。「紅玉」と書いて(こうぎょく)…
花の咲かない植物 現在の分類では、植物は大きく種子を持たないコケ植物、シダ植物と種子を作る種子植物に分けられる。種子植物の中で、胚珠(種子になる部分)がむき出しのものが裸子植物で、子房に被われているのが被子植物である。美しい花は花粉の媒介者…
部首は、字書によって多少の違いがあるのだが、ここでは漢検に準拠したお話。 「あっ、そこなん?」っていう部首 問題1. 「黙」の部首は? これはもう「灬」(れっか、れんが)でしょう。いや、問題に出すくらいだから、ひっかけで「里」(さと)かな、もし…
変わった哺乳動物 哺乳動物の中に嘴(くちばし)を持ち、卵を産むカモノハシという動物がいる。鳥のようだが翼を持たず、母乳で子供を育てることから歴とした哺乳動物で、カモのような嘴を持つことから「鴨嘴獣」(かものはし)と書く。 またカンガルーに代…
シソ科 俗にハーブと呼ばれる植物があるが、ハーブに明確な定義があるわけではない。ハーブとはもともと草を意味するラテン語で、現在は薬効のある植物全体を総称している。ハーブの多くは香りの強い、セリ科やシソ科の植物である。 「紫蘇」(しそ)の名は…
ヒノキ 「檜」(ひのき)は台湾と日本にしか分布しない針葉樹で、大きいものでは30mを超える。和名は「火の木」に由来し、昔この木を擦り合わせて火を起こしたことによる。強く、ゆがみにくく、加工しやすくため、古くから建材として用いられてきた。 アスナ…
6月の誕生石と香木 6月の誕生石はムーンストーンと真珠、欧米ではアレキサンドロライトも挙げられる。月の石の名を持つムーンストーンは淡い乳白色でまさに月の光のような光沢を放つ。和名も「月長石」(ゲッチョウセキ)である。 真珠は6月の誕生石だが、冠…
5月の誕生石と美女 5月の誕生石は、「緑玉」(リョクギョク)あるいは「翠玉」(スイギョク)と呼ばれるエメラルドである。エメラルドグリーンという色があるように鮮やかな緑色をした宝石だが、石の成分はアクアマリンと同じである。ベリリウムを含んだベリ…
オスとメス 動物の性別は、「雄」と「雌」、あるいは「牡」と「牝」という漢字を用いる。しかし中にはオスメスの意味を含んだ漢字がある。 オシドリはカモの仲間で「鴛鴦」(エンオウ)と書き、「鴛」はオスのオシドリを、「鴦」はメスのオシドリを意味する…
4月の誕生石と天使の薬 4大宝石とは、ダイヤモンド、ルビー、サファイア、エメラルドのことを指す。宝石と呼ばれるためには、美しさもさることながら、その希少性や耐久性も条件となる。ルビーは紅玉、サファイアが青玉、エメラルドが緑玉と呼ばれるように、…
3月の誕生石と藍 (タデ科) 3月の誕生石はアクアマリンと「珊瑚」(さんご)である。 アクアマリンは海の水という意味で、石はその名の通り海の色のような透き通った水色をしている。ただしアクアマリンを色の名称として用いると青と緑の中間色でかなり濃い…
2月の誕生石とムラサキ 2月の誕生石アメジストは紫色をした水晶である。水晶(クリスタル)とは二酸化珪素が結晶化してできた石英(クウォーツ)という鉱物のうち、特に結晶度の高いものを指す。水晶は古くから「玻璃」(はり)と呼ばれて珍重された。 石英…
1月の誕生石とザクロ 誕生石とは1月から12月までのそれぞれの月に因んだ宝石のことで、自分の生まれた月の誕生石を身に着けると幸運が訪れると言われている。その起源は聖書にあるとされるが、月ごとに誕生石が定められたのは意外と新しく、20世紀に入ってか…
赤いスイートピー (マメ科) マメ科の植物は花も木も多種多様で多くの種を含むが、種子が莢に覆われているのが最大の特徴である。一般に根に根粒菌という細菌を持ち、これが空気中の窒素を植物が使いやすい硝酸塩に変換してくれるため、やせた土地でも育つ…
脚の多い虫 虫の脚の数が6本を超えると、喩えどんなに益虫であっても、たいてい人には嫌われる。あまり関わりたくはないのだが、熟字訓がいくつかあるので触れておきましょう。 クモは通常人に害を与えない益虫なのだが、見た目もさることながら、その巣が…
「虫」の付かない虫 「紅娘」と書いて(てんとうむし)と読む。「紅娘」は赤くて可愛らしい姿を娘に見立てたものである。漢名では「瓢虫」(てんとうむし)と書いて、これは形が瓢箪に似るからである(瓜の葉によく付くから、という説もある)。テントウムシ…
カマキリとコオロギ(「虫」の二つ付く虫) 虫を表すのに虫偏の漢字2字を使うことがけっこう多い。いずれも2字を合わせて和名となる熟字訓である(熟語ではない)。 「蟷螂」(かまきり)は気性が荒く、何にでも立ち向かっていく男らしい昆虫である。「當…
パパイヤとマンゴー(外来の果物) 果物と野菜の違いは何か。行政上の分類では、一年性作物などの草本類が野菜で、永年性作物の木本類が果物とされる。つまり種をまいたら1年で花を咲かせ、収穫したらそのあと枯れる草本類が「野菜」で、何年もかけて成長し…
ウメとモモとサクラとイチゴ バラの花と言えばもっぱら観賞用だが、バラ科の植物には梅、桃、桜に始まり、林檎、梨、枇杷、李(すもも)に杏(あんず)から苺まで多くの果実植物が含まれている。 「庭梅」(にわうめ)は庭に植える木で梅のような花を付ける…