漢字と熟字訓の由来を巡る旅

漢検準1級と1級に役立つよ

日本語

21 馬とブランコ  (漢検準1級と1級に役立つよ)

馬とブランコ 馬は人類と最も付き合いの長い動物のひとつである。走ることにかけては哺乳動物の中で最も高度に進化したと言っても過言ではなく、その走る姿はたいへん優美である。ウマには多くの品種があり、また毛色によっても様々な呼び方をされてきた。 …

20 ヒマワリとイソギンチャク  (漢検準1級と1級に役立つよ)

ヒマワリとイソギンチャク アオイの仲間でもないのに、「葵」の字を使う植物がある。ヒマワリはキク科の一年草で、アオイとは何の関係もないのだが、漢名から「向日葵」(ひまわり)と書く。日の方向に合わせて花が回ると言われたことからヒマワリと呼ばれる…

19 タチアオイとハイビスカス (漢検準1級と1級に役立つよ)

タチアオイとハイビスカス (アオイ科) アオイと言えば徳川家の家紋である「三つ葉葵(葵の御紋)」を思い浮かべるが、ミツバアオイという植物はなく、あの紋様はフタバアオイの葉を三枚組み合わせて図案化したものである。しかもこのフタバアオイはアオイ…

18 タンポポとコスモス (漢検準1級と1級に役立つよ)

タンポポとコスモス (キク科) キク科の花は多くの花弁を持っているように見えるが、実は花びらのように見える一枚一枚がひとつの花なのである。花軸の上部が平らとなり、そこに多くの花を載せた頭状花序という、花の中でも最も進化した形態をとっている。…

17 ボタンと天上の花  (漢検準1級と1級に役立つよ)

ボタンと天上の花 「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」というフレーズは、もっぱら美人の形容に使われるものだが、もともとは漢方薬の使い方を教える言葉だった。イライラと気の立っている女性には「芍薬」が、ペタンと座ってばかりいるような女性…

15 小さな鳥  (漢検準1級と1級に役立つよ)

小さな鳥 (漢検準1級と1級に役立つよ) 世界一小さな鳥がハチドリであることはよく知られているが(北米~南米に生息)、日本で最も小さい鳥はキクイタダキという体長10cmほどの小鳥である。頭頂部に黄、橙、赤などの美しい冠羽をもっているため「菊を戴く…

14 ケラとカラ(キツツキ目とスズメ目)  (漢検準1級と1級に役立つよ)

ケラとカラ(キツツキ目とスズメ目) (漢検準1級と1級に役立つよ) キツツキは餌となる虫を掘り出したり、巣作りのために木をつつく。木を啄ばむ鳥なので「啄木鳥」(きつつき)である。別称ケラと呼ばれ、「啄木鳥」(けら)とも読む。キツツキという名は…

13 ホトトギス  (漢検準1級と1級に役立つよ)

ほととぎす ホトトギスは「郭公」(かっこう)の仲間で、その独特な鳴き声は古くから「テッペンカケタカ」とか「特許許可局」と表現される。昔からたいへん親しまれてきた鳥で、万葉集以来多くの歌集に詠まれ、その漢字表記や異名は非常に多い。 まずカッコ…

12 ツツジと満天の星(ツツジ科)と足  (漢検準1級と1級に役立つよ)

ツツジと満天の星(ツツジ科)と足 ツツジは4~5月頃に漏斗型の花を咲かせるツツジ科の植物で、漢字では「躑躅」と書く。「皐月」(さつき)や「石楠花」(しゃくなげ)もツツジの仲間で、春になると一斉に白やピンクの花を咲かせる。「皐月」の名もちょう…

11 ナスとジャガイモ  (漢検準1級と1級に役立つよ)

ナスとジャガイモ(ナス科) ナス科とヒルガオ科とは兄弟のようなものであるが(同じナス目)、ナス科の植物はヒルガオ科と違って花よりもその実で知られた存在である。「茄子」(ナス)はもとより、トマトにピーマン、ジャガイモなどがナス科に属する。トマ…

10  キンポウゲとクマノミ  (漢検準1級と1級に役立つよ)

キンポウゲとクマノミ (キンポウゲ科) キンポウゲは春になるとあぜ道や土手などに咲く黄色い5弁の花である。花弁に光沢があるため、光を浴びると反射して輝いて見える。まさに黄金色と呼ぶのにふさわしい花で、「金鳳花」と書く(鳳は鳳凰のような高貴さ…

9 イモ  (漢検準1級と1級に役立つよ)

イモ (ヤマノイモ科とサトイモ科) そもそも芋とは、植物の根や地下茎が肥大し、デンプンなどの養分を蓄えたもの全般を指していて、ナス科のジャガイモ、ヒルガオ科のサツマイモなどさまざまな科の植物に芋ができる。 山芋(やまいも、やまのいも)はヤマノ…

8 ランとトキ  (漢検準1級と1級に役立つよ)

蘭とトキ (ラン科) ラン科の花は独特な形をしているため、他科の花とは見分けやすい。ユリ科の花と同じように内側3枚・外側3枚、計6枚の花弁(はなびら)をもつのだが、一番下に付いた1枚が他と全く異なる特殊な形に変化する。これは唇弁と呼ばれ、花粉を…

7 おとぎりそうとマンゴスチン  (漢検準1級と1級に役立つよ)

おとぎりそうとマンゴスチン(オトギリソウ科) 「弟切草」(オトギリソウ)は夏の草地で黄色い5弁の花を付ける多年草で、葉を透かして見ると油点と呼ばれる黒い点が多数散在するのが特徴である。この葉には止血・鎮痛などの効果があるため、古くから傷薬と…

6 ユリとアスパラガス  (漢検準1級と1級に役立つよ)

ユリとアスパラガス(ユリ科) ユリの語源は花が風に揺れる様子から「揺り」になったと言われている。ユリの仲間は一般に球根が発達するが、これは鱗茎といって実は葉(鱗葉)が多数重なり合ったものである。「百合」と書くのもこれに由来する。ユリの中でも…

5 秋の七草  (漢検準1級と1級に役立つよ)

秋の七草 春の七種が食を楽しむものであるのに対して、秋の七草は観賞するためのもので、山上憶良が詠んだ万葉集の歌「萩の花 尾花 葛花 瞿麦の花 女郎花 また 藤袴 朝貌の花」(はぎのはな おばな くずはな なでしこのはな おみなえし また ふじばかま あさ…

4 キャベツと春の七種  (漢検準1級と1級に役立つよ)

キャベツと十字架(アブラナ科) 白菜とキャベツとレタスとカリフラワーとブロッコリー、この中で仲間のちがうのはどれか。正解はレタスで、これだけがキク科で他の4種はアブラナ科の植物だ。そもそもカリフラワーとブロッコリーはキャベツの変種なので、も…

3 アヤメとカキツバタ  (漢検準1級と1級に役立つよ)

アヤメとカキツバタ(アヤメ科) アヤメとカキツバタは非常によく似たアヤメ科の花で、漢字では「菖蒲」(あやめ)、「杜若」(かきつばた)と書く。どちらも5月頃、紫色の可憐な花を咲かせる。「いずれ菖蒲か杜若」という成句は、両者ともすぐれていて優劣…

2 キュウリとメロン  (漢検準1級と1級に役立つよ)

キュウリとメロン(ウリ科) ウリ科の植物は果物や野菜としてたいへん馴染みが深いが、そのほとんどは熱帯・亜熱帯原産で、海を渡って日本へ入ってきたものである。「西瓜」(すいか)、「南瓜」(かぼちゃ)、「冬瓜」(とうがん)、「糸瓜」(へちま)、「…

1 アサガオとサツマイモ  (漢検準1級と1級に役立つよ)

アサガオとサツマイモ(ヒルガオ科) 「朝顔」(あさがお)は夏のはじめに庭先で鉢植されるお馴染みの花で、朝咲いて昼ごろには萎んでしまうことからこの名がついた。ヒルガオ科の一年草で、「牽牛花」(ケンゴカ)あるいは「牽牛子」(ケンゴシ)とも書く。…